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雑感(ざっかん)

事業承継を考える

2013年05月31日

事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことですが、経営者が生前にバトンタッチをすることは少ないようで、経営者の突然の急病や死亡などによって早急に対策を考えなければならなくなるケースが多いようです。
経営者が元気なうちに少しずつ権限を委譲して、後継者を見守るのが理想的ではないでしょうか。

しかし、事業承継といっても一体何をすればよいのか、なかなかピンときませんよね。
事業承継には、「経営権の承継」と「財産権の承継」という側面があります。
経営者の保有している自社株式や事業用資産、そしてノウハウ等を後継者に円滑に承継させることが重要です。

事業承継の対策には、民法の活用、会社法の活用、税法の活用、信託法の活用・・などなど、実は様々な方法が考えられます。
民法では遺言書の作成や死因贈与などが相続開始後の紛争防止に有効ですが、
会社法では株式ごとに内容の異なる「種類株式」が定められており、譲渡による株式の分散防止には'譲渡制限株式'、経営権争いの防止には'議決権制限株式'と、それぞれの特性を知ることで事業承継にも有効な手段となります。

たとえば経営者に相続が発生した場合に、事業を承継する相続人には議決権のある株式を、事業を承継しない相続人には議決権のない株式をといった使い分けをすることや、経営権を承継しない代わりに配当優先株式('剰余金の配当に関する種類株式')を与えたり、あるいは、'取得請求権付株式'を相続させて将来的に金銭や社債で買い取る約束をするなど、種類株式を組み合わせて活用したり、遺言などとあわせて活用したりすることで、相続人との争いを防ぎ、後継者が円滑に事業を承継することができます。
他にも様々な種類株式があり、まだまだいろんな活用方法が考えられます。

種類株式なんて中小企業には関係ないと思っている方も多いかもしれませんが、上手に活用することができれば安定した事業承継が可能なのです。
 
ただし、それぞれの種類株式にはメリットばかりでなく留意しなければならない点もあります。
一例をあげると、譲渡制限株式では物納を行うことができません。後継者が相続によって事業財産のすべてを相続した場合など、納税資金対策は別途考えておく必要があります。また、事案に応じて財源規制にも注意が必要です。

後継者のためにも、事業承継問題は早めに検討しておくことが大切ではないでしょうか。

兵庫県司法書士会
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