会長挨拶

兵庫県司法書士会のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
　令和５年５月に開催されました当会の第１１０回定時総会において会長に就任することになりました野上英則と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

ご挨拶の最初に我々司法書士を規定する司法書士法の第１条の条文をご紹介します。
「司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。」
　司法書士とはこのような使命を持った資格士業であります。

司法書士は、明治５年の代書人制度に始まり、制度としては１５０年を超える歴史を有しています。訴状など裁判所に提出する書類の作成を中心とする専門職能として誕生し、その後、不動産登記、商業登記等の申請代理人としての業務を加え、これらの業務を中心にして発展してまいりました。
　登記申請の代理人としては、ただ書類を作成して申請するということだけではなく、本人確認、意思確認、実体関係の把握などに努めたうえで、業務を通じて、取引の安全性を確保することや登記記録の正確性を担保することに寄与してきたという自負を持っています。
　近年においては、高齢者や障がい者の方の成年後見人等に就任し、権利擁護や財産管理に携わり、簡易裁判所における民事裁判等（訴額１４０万円以下）では、（弁護士さんと同様に）訴訟代理人として法廷に立ち、あるいは、民事調停や交渉による和解等での紛争解決を図っています。

当会は社会的な活動に力を入れており、阪神・淡路大震災発生当時、いち早く、仮設住宅や県内各地において、被災された方々に無料相談会を実施いたしました。その際には、全国からたくさんの司法書士の応援を賜ったこともあり、その教訓と経験を生かし、その後、東日本大震災など全国各地で発生している災害等で被災された方々の支援を続けています。
　さらに、小学生を対象とした親子法律教室の開催、高校生を対象とした一日司法書士体験、高校生等への消費者教育講座や社会人向け講座への講師派遣、関係機関と連携しながら自死問題対策、空き家・所有者不明土地問題の対策などにも取組んでおります。

当会は相談事業にも力をいれており、県内２０ヶ所以上で無料相談会場を設置し、そこで「無料相談会」を実施しております。是非ともお近くの無料相談会をご活用ください（詳しくは、このホームページ内でご確認ください）。
　そして、お困りごとがあれば、司法書士に聞いていい内容かわからないとしても、県内各地にいる司法書士に一度ご相談ください。専門分野であれば、そのまま問題解決に向かいますし、専門外であれば、その専門の士業等をご紹介いたします。早期の相談こそ、早期の解決につながります。

このような活動を通じて、最初にご紹介した司法書士法第１条にある法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与していく所存ですので、今後とも司法書士をよろしくお願いいたします。