民間事業者の登記申請書等自動生成サービス等について(会長声明)

民間事業者の登記申請書等自動生成サービス等について(会長声明)

 司法書士法には、「司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする」(司法書士法第1条)と定められ、また、無資格者が司法書士業務を行うことを禁止する規定(司法書士法第73条)が置かれています。それは、無資格者が司法書士業務を行うことにより、市民の皆さまの権利が侵害される(不慮の被害を被る)ことを防ぐためです。
 当会は、これまでも民間事業者(無資格者)がインターネット上で提供する登記申請書類等の自動生成サービスを注視してきました。しかしながら、近年では、デジタル化の進展に伴い、民間事業者(無資格者)による登記ビジネスが増加しております。
 それを問題視して、令和5年2月21日(火)午前9時から開催の「衆議院予算委員会第三分科会」において、塩崎彰久衆議院議員から政府に対し、「インターネットを利用した登記申請書等の自動生成サービス」についての質疑が行われました(詳細は末尾【ご参考】でご確認ください)。同質疑においては、一部民間事業者による違法行為が疑われる事例が散見されるとの指摘がなされ、政府参考人である法務省民事局長からは、次の3つのようなものであれば、「一般論として、司法書士法に違反するおそれがあるものと考えられる」との答弁がなされました。

  1. 司法書士ではない民間事業者が、登記申請書類の作成に必要な情報を依頼者にインターネット上で入力させて登記申請書類の作成を可能とするサービスを提供する場合において、依頼者が入力していない情報を入力したり、依頼者が入力した情報を加工・修正するなどして、その対応が、民間事業者において依頼者に代わって登記申請書類を「作成」したと評価されるようなもの
  2. 民間事業者側が、個別具体的な事案を前提に、登記申請書類の作成に関する相談を受けて回答したり、助言したりして、その対応が、民間事業者において登記申請書類の作成に当たって依頼者からの相談に応じたと評価されるようなもの
  3. 民間事業者が、サービス内容の一部として、登記申請を行おうとする依頼者に関係する戸籍の記載から、法律上の親族関係を読み取った上で、民間事業者の判断で法定相続人を特定し、その判断を前提として登記申請書類を作成したような場合に、その対応が、民間事業者において依頼者に代わって登記申請書類を「作成」したと評価されるようなもの

 民間事業者の登記ビジネスの内容が、上記3つのように評価される場合は司法書士法違反となり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(司法書士法第78条)。
 また、国民の重要な財産や権利を守るための不動産登記制度は、特に真正な権利関係を公示することが求められ、不動産取引にとって重要な役割を担っています。
 司法書士は、民間事業者(無資格者)と異なり、例えば、相続登記を行う際には、単に戸籍を収集して機械的に登記手続き行うのではなく、登記等の法律事務の専門家として、個々の具体的な事案に則して、利用者のニーズや予見される将来の課題を踏まえた説明や助言を行い、依頼者の権利を擁護するために法律事務を行っています。
 当会は、今後司法書士法違反が疑われる事案については、調査のうえ刑事告訴等を含め厳正に対処してまいる所存ですが、市民の皆様におかれましては、違法なサービスを利用することで予期せぬトラブルに巻き込まれることのないよう十分お気をつけください。
 また、自治体の担当者様におかれましては、民間事業者と連携等する際には、司法書士法に違反するサービスでないか慎重にご判断いただき、安易な連携等により市民に違法なサービスを利用させることがないよう十分にご配意ください。
 当会は、県下各地に無料相談会場を設け、相続登記の相談を受け付けております。相続登記の疑問に相続登記の専門家である司法書士がお答えしますので、お気軽にご利用ください。

令和5年6月12日
兵庫県司法書士会
会長 野上 英則

【ご参考】
第211回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 第2号
令和5年2月21日(火)

1.国会会議録 No.118~No.124(外部サイト)

2.インターネット審議中継 開始時刻 午前11時01分(外部サイト)
(塩崎彰久衆議院議員・2つ目の質疑)

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