調整業務としての司法書士

調整業務としての司法書士

 司法書士の仕事内容に対するイメージとして「書類を作成する仕事」と思われている方は多いのではないでしょうか?私も司法書士になる前はそのように考えていました。
 確かに司法書士の主要な業務である不動産登記や商業登記、裁判書類作成業務において書類を作成することは重要かつ責任の重い司法書士の業務の一部であることは間違いのない事実です。しかし実際に司法書士をしていると書類を作成するということは司法書士の業務の中の少ない比率を占めているに過ぎないことを実感します。
 司法書士の仕事はなんですか?と質問されたら私は「調整する仕事」と答えます。例えば司法書士の業務範囲の中で主要な要素を占める不動産取引業務で言えば不動産の買主、売主、仲介業者、金融機関の方等の複数の関係者が関与します。取引日の前に、仲介業者や金融機関の方と様々な調整及び打ち合わせを済ませ必要書類や見積書の案内をします。取引の当日に向けて当事者が署名・押印をする書類を作成し取引日を迎えるわけですが複数の当事者との調整・打合せなしでは書類を作成することは出来ません。
 他の業務で言えば相続に関する業務では相続人の方々へ相続の内容を説明する機会は多くありますし後見業務で言えば被後見人は勿論の事、親族や施設、病院関係者とのやりとりも調整の連続です。税理士や弁護士、土地家屋調査士、行政書士の方々と連携する仕事においてもお互いの業務を引き継いで協力して依頼者に満足して頂ける仕事をする為には種々の事柄を他士業の方々と調整することが重要になります。
 書類を作成する仕事においても法務局や裁判所との調整をする機会は多くあります。なぜなら登記に関する業務では不動産や会社の状況や事例により、典型的な登記の申請をする訳にはいかない場合は多く存在し、法務局に対して事前の照会及び回答を得た上でないとそのような非典型的な登記申請をすることは出来ないからです。また債務整理に関する業務でも依頼者の状況は人によって様々ですので裁判所との事前の打ち合わせ及び調整は必須のものとなります。
 以上のように司法書士は依頼者と多数の利害関係者や法務局、裁判所との間を調整する作業をした上で、依頼者の方々への必要書類の案内や調印手続きをしておりますことをご理解下さればと思います。

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