デジタル化で、公正証書遺言がもっと身近に
「公正証書遺言を作りたいけれど、公証役場まで行くのが大変で…」
そんな声に応える、新しい制度が始まります。これまで、公正証書遺言を作るときは公証役場に出向くか、公証人が遺言者のもとへ出張して、直接会って作成する必要がありました。
2025年10月1日から、公正証書のデジタル化制度がスタートしています。これにより、一定の条件を満たす場合には、リモート方式で公証人と画面を通じてやり取りしながら遺言書を作ることができるようになります。高齢の方や、身体が不自由で外出が難しい方にとっても、新しい選択肢が広がるしくみです。リモート方式では、公証人・遺言者・証人がWeb会議を通じて顔を合わせ、映像と音声で遺言者の意思確認をはじめ、作成に必要な一連の手続を行います。作成された遺言は電子データの形で保管され、紙の公正証書遺言と同じ効力を持ちます。希望すれば、これまでと同じように紙の遺言書も受け取ることができます。
また、成りすましを防ぐために厳格な本人確認や記録の仕組みも整えられており、公証人が「映像では意思を確認できない」と判断した場合は、これまでどおり対面方式がとられます。
公正証書のデジタル化は、法務大臣から指定を受けた公証人の役場から順次スタートします。導入は段階的に進むので、広く普及するのはまだこれからですが、兵庫県は2025年11月25日から始まる予定です。遺言書を作るハードルをひとつ下げる、大きな一歩と言えるでしょう。
司法書士は、遺言書の文案作成や必要書類の準備、公証人とのやり取りなど、手続きの前から後まで、幅広くお手伝いをしています。「一人で作るのは不安」「どこから始めればいいかわからない」と感じたときは、どうぞお気軽にご相談ください。
